毎年欠かさず作る
いちごジャム。
今年もなんとか
ジャム用いちごが手に入ったので
早朝から煮る。
あぁ、なんとも幸せな匂い。
私の実家は元いちご農家で
祖父母がいちごを栽培していた。
だから、いちごジャムを作るのは
毎年の習慣であり、日常。
しかもこの時期は、近所の至る所から
ジャムを煮る匂いがしてくる。
歩いているとあっちからもこっちからも。
食いしん坊にはたまらない。
祖母は毎年沢山のジャムを作ってくれた。
味見はいつもわたしが担当。
用意してあったロールパンにたっぷりつけて。
パンの上に、熱々の鮮やかな赤いジャム。
それを大きな口で頬張る。
うーん、もう幸せこの上ない。
今はもう、その祖母の姿はないけれど
それでもその心と、想い出は
ジャムのように鮮やかなまま
わたしの中に残っている。
おばあちゃん、残してくれてありがとう。
味見用に。
一瞬にして、子どもたちに奪われた。