この春、実家を建て直すことになりました。
築50年以上の私の実家は
ここ最近の家のような“便利で住みやすい家”
とは、お世辞にも言えず
すきま風は入るが、光は入らない。
襖で仕切る部屋がたくさんあり
隣の部屋の声なんて、よく聞こえる。
プライベートもあってないようなもの。
でも、私にとってはとても大切な家なのです。
家族で毎日ご飯を食べたこと。
こたつで寝転がり、そのまま寝てしまったこと。
みんなでお正月や誕生日を迎えたこと。
親に怒られたこと。
姉とけんかしたこと。
最愛の人たちを、この家から天国へ見送ったこと。
全部全部、この家はそれを見守ってくれました。
なくなる寂しさはあるけれど
家も新しく旅立つ、ということかな。
家さん、ありがとー!
もし自分が家を建てるとしたら
あなたの様な家を建てたい、と思うよ。
決して便利な家に住みたい、とは思わない。
ただ、あなたの様な温かい家に住みたい。
ちなみに、一番好きな場所は
海の見える縁側でした。
(これは新しい家でも健在らしい!)